2024.09.08
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よろずや【with-Uブログ】⑭バッテリー編
先日『バッテリー上がり』のバイクがレッカーで運ばれてきました。
オーナー様に聞いてみたところ前回バッテリーを替えたのは3~4年前とおぼろげ、、、ここ2週間乗っておらず掛けようとしたところセルの回りが悪くエンジン掛からずな状態、、、でレッカー。
調べてみると11.2V、他の原因もなく電圧が弱くなったことによるバッテリー上がりと断定しました。
長期間の放置や冬場など特に多いレスキュー依頼はバッテリー上がり。
また、昨日まで元気にエンジン掛かったのに今日は掛からない、といった症状もあります。
この「昨日」と「今日」の境目、意外とわからないバッテリーの替え時。
先ほどバッテリー上がりのオーナー様からも質問受けました。
Q.バッテリーの替え時はいつ?
A.まずはバッテリーの特性を教えましょう!
ということで本日は「2輪用バッテリー」についてちょっとお勉強です。
バッテリーは大きく2種類に分けることができます。
鉛バッテリー・・・現在2輪の主流はこれ
リチウムバッテリー・・・一部2輪でも採用し始めた。今後需要拡大が予想されるEVバイクもこれ。
多くの2輪車が採用している鉛バッテリー。
バッテリーの主流ですがこの鉛バッテリーも2種類に分けられます。
1)密閉型バッテリー
2)開放型バッテリー
ではそれぞれの特徴を説明しましょう!
鉛バッテリー
1)密閉型バッテリーの特長
① メンテナンスフリー
特長: 密閉型バッテリーは、液面のチェックや電解液の補充が不要。
理由: 内部の電解液が完全に封じられることで、バッテリー液の水分が蒸発したり漏れたりする心配がありません。
② 振動と衝撃に強い
特長: 密閉型バッテリーは振動や衝撃に対して耐性があります。
特にバイクやスクーターは走行中の振動が大きいのでこの特性は非常に重要ですね。
理由: 電解液がガラスマット(AGM)やゲル状の材料に吸収されているため、振動や衝撃によって内部の電解液が動くことがありません。
③ 安全性
特長: 液漏れやガスの発生が最小限に抑えられており、周囲に対して安全。
理由: 実は密閉型バッテリーにも完全密閉型とバルブで圧力を逃がす弁機構を持ったバッテリー(VRLAバッテリー)があります。このVRLAバッテリーは内部の圧力が一定以上(過剰)となった際に自動でガス抜きを行うバルブを備えています。
④ 充電と放電性能
特長: 高い充電効率と安定した放電性能を併せ持ちます。バイクはエンジンの始動だけでなく最近ではグリップヒーターやUSB等アクセサリーの電源供給に頻繁にバッテリーを使用するため、これらの特性は重要です。
理由: 密閉型バッテリーは、高い出力と安定した電圧を保ちやすいため、エンジン始動時の電流要求にも対応できます。
⑤ サイズと形状
特長: バイク用の密閉型バッテリーは、コンパクトで軽量な設計がされており、バイクのスペースに適合します。
理由: 二輪車の設計に合わせて、サイズや形状が最適化されているため、取り付けや取り扱いが容易です。
⑥ 耐久性と寿命
今回の答えにもつながりますね。
特長: 正しく使用し、定期的に充電すれば、長寿命であることが多いです。
理由: 内部の化学反応が効率的に行われ、構造が耐久性に優れているためバッテリーの寿命が延びます。
続きまして、
2)開放型バッテリーの特長
① メンテナンスの必要性
特長: 開放型バッテリーは、電解液(硫酸)の液面を定期的にチェックし、必要に応じて補充する必要があります。
理由: バッテリーの密閉性がないため、電解液が蒸発したり消耗したりすることがあります。定期的に補充しないと、バッテリーの性能や寿命が低下する可能性があります。
② 液漏れの可能性
特長: バッテリーの構造上、電解液が漏れる可能性があります。
理由: バッテリーのキャップが外れることがあるため、取り扱いや取り付けには注意が必要です。
液漏れがあると、バッテリー周辺が腐食することがあります。
③ コストパフォーマンス
特長: 開放型バッテリーは比較的安価で製造されるため、コストパフォーマンスが良いです。
理由: シンプルな構造と製造過程により、密閉型バッテリータイプよりも低価格です。
④ 充電と放電性能
特長: 高い放電性能を持ち、短時間で電力を供給できますが、充電効率が密閉型バッテリーに比べてやや劣ることがあります。
理由: 充電と放電の効率はバッテリーの設計や使用条件に依存しますが、開放型バッテリーは高出力で瞬時の電流要求に応えることができます。
⑤ 安全性
特長: 開放型バッテリーはガスが発生するため、適切な通気が必要です。
理由: 蓋を開けた状態で使用するため、ガスが発生し、火花や高温による爆発のリスクがあるため、使用場所や取り扱いには注意が必要です。
そして最後にご紹介するのは一部の車種でも採用されているリチウムバッテリー、
リチウムバッテリーの特長
① 軽量
特長:リチウムバッテリーは鉛バッテリーに比べて非常に軽く、重量は約1/3程度。
理由:バイクの総重量を減らせることで操作性を向上させることができます。
② 高いエネルギー密度
特長:リチウムバッテリーはエネルギー密度が高く、小型でありながら大容量の電力を蓄えることができます。
理由:同じ重量の鉛バッテリーであった場合、リチウムバッテリーのほうがより多くの電力を蓄えることが可能なため長時間の使用が可能です。
③長寿命
特長:通常の環境下では自然放電が少なく、長期間使用しない場合でも性能が維持されやすいです。
理由:繰り返し充放電に強いので鉛バッテリーに比べて寿命が長いです。ただし寒冷地や低温環境には弱く、十分にメリットを発揮されない場合もあります。冬場は定期的なチェックや充電(リチウムバッテリー専用充電器)が必要です。
コスト面は鉛バッテリーと比べると2~3倍の金額が相場ですね。現在リチウムバッテリーを搭載するモデルは特に重量を意識するスポーツバイクや高性能バイク。ただしリチウムバッテリーが主流となるにはまだまだクリアすべき課題が残っています。
充電する場合は、密閉型バッテリー、開放型バッテリー、リチウムバッテリーのうち自分の愛車のバッテリーがどのタイプなのか確認しそれに合う充電器が必要です。
くれぐれも開放型専用充電器で密閉型バッテリーを充電する事ないように!絶対ダメな組み合わせです!最悪爆発するかも!
以上が鉛バッテリー(密閉型/開放型)とリチウムバッテリーの特長です。
長~いこと書きましたがどうですか勉強になりました⁉
そして最初に戻って質問へのアンサー、
絶対的な耐年数は決めきれませんが(使用環境がオーナーによって異なるため)、2~3年経ったらまずは電圧チェック!
エンジンを止めた状態の電圧が12.5V以下となったら交換の目安です。
バッテリー上がり自体を防ぐことはできなくとも、バッテリーの状態を確認することはオーナー様の責務です!
点検時でもオイル交換時でもお気軽にご相談くださいね!
ユーメディア横浜新山下
住所:神奈川県横浜市中区新山下1-17-39-2F
電話:045-628-0070
※GS-Yuasa様HPより引用
オーナー様に聞いてみたところ前回バッテリーを替えたのは3~4年前とおぼろげ、、、ここ2週間乗っておらず掛けようとしたところセルの回りが悪くエンジン掛からずな状態、、、でレッカー。
調べてみると11.2V、他の原因もなく電圧が弱くなったことによるバッテリー上がりと断定しました。
長期間の放置や冬場など特に多いレスキュー依頼はバッテリー上がり。
また、昨日まで元気にエンジン掛かったのに今日は掛からない、といった症状もあります。
この「昨日」と「今日」の境目、意外とわからないバッテリーの替え時。
先ほどバッテリー上がりのオーナー様からも質問受けました。
Q.バッテリーの替え時はいつ?
A.まずはバッテリーの特性を教えましょう!
ということで本日は「2輪用バッテリー」についてちょっとお勉強です。
バッテリーは大きく2種類に分けることができます。
鉛バッテリー・・・現在2輪の主流はこれ
リチウムバッテリー・・・一部2輪でも採用し始めた。今後需要拡大が予想されるEVバイクもこれ。
多くの2輪車が採用している鉛バッテリー。
バッテリーの主流ですがこの鉛バッテリーも2種類に分けられます。
1)密閉型バッテリー
2)開放型バッテリー
ではそれぞれの特徴を説明しましょう!
鉛バッテリー
1)密閉型バッテリーの特長
① メンテナンスフリー
特長: 密閉型バッテリーは、液面のチェックや電解液の補充が不要。
理由: 内部の電解液が完全に封じられることで、バッテリー液の水分が蒸発したり漏れたりする心配がありません。
② 振動と衝撃に強い
特長: 密閉型バッテリーは振動や衝撃に対して耐性があります。
特にバイクやスクーターは走行中の振動が大きいのでこの特性は非常に重要ですね。
理由: 電解液がガラスマット(AGM)やゲル状の材料に吸収されているため、振動や衝撃によって内部の電解液が動くことがありません。
③ 安全性
特長: 液漏れやガスの発生が最小限に抑えられており、周囲に対して安全。
理由: 実は密閉型バッテリーにも完全密閉型とバルブで圧力を逃がす弁機構を持ったバッテリー(VRLAバッテリー)があります。このVRLAバッテリーは内部の圧力が一定以上(過剰)となった際に自動でガス抜きを行うバルブを備えています。
④ 充電と放電性能
特長: 高い充電効率と安定した放電性能を併せ持ちます。バイクはエンジンの始動だけでなく最近ではグリップヒーターやUSB等アクセサリーの電源供給に頻繁にバッテリーを使用するため、これらの特性は重要です。
理由: 密閉型バッテリーは、高い出力と安定した電圧を保ちやすいため、エンジン始動時の電流要求にも対応できます。
⑤ サイズと形状
特長: バイク用の密閉型バッテリーは、コンパクトで軽量な設計がされており、バイクのスペースに適合します。
理由: 二輪車の設計に合わせて、サイズや形状が最適化されているため、取り付けや取り扱いが容易です。
⑥ 耐久性と寿命
今回の答えにもつながりますね。
特長: 正しく使用し、定期的に充電すれば、長寿命であることが多いです。
理由: 内部の化学反応が効率的に行われ、構造が耐久性に優れているためバッテリーの寿命が延びます。
続きまして、
2)開放型バッテリーの特長
① メンテナンスの必要性
特長: 開放型バッテリーは、電解液(硫酸)の液面を定期的にチェックし、必要に応じて補充する必要があります。
理由: バッテリーの密閉性がないため、電解液が蒸発したり消耗したりすることがあります。定期的に補充しないと、バッテリーの性能や寿命が低下する可能性があります。
② 液漏れの可能性
特長: バッテリーの構造上、電解液が漏れる可能性があります。
理由: バッテリーのキャップが外れることがあるため、取り扱いや取り付けには注意が必要です。
液漏れがあると、バッテリー周辺が腐食することがあります。
③ コストパフォーマンス
特長: 開放型バッテリーは比較的安価で製造されるため、コストパフォーマンスが良いです。
理由: シンプルな構造と製造過程により、密閉型バッテリータイプよりも低価格です。
④ 充電と放電性能
特長: 高い放電性能を持ち、短時間で電力を供給できますが、充電効率が密閉型バッテリーに比べてやや劣ることがあります。
理由: 充電と放電の効率はバッテリーの設計や使用条件に依存しますが、開放型バッテリーは高出力で瞬時の電流要求に応えることができます。
⑤ 安全性
特長: 開放型バッテリーはガスが発生するため、適切な通気が必要です。
理由: 蓋を開けた状態で使用するため、ガスが発生し、火花や高温による爆発のリスクがあるため、使用場所や取り扱いには注意が必要です。
そして最後にご紹介するのは一部の車種でも採用されているリチウムバッテリー、
リチウムバッテリーの特長
① 軽量
特長:リチウムバッテリーは鉛バッテリーに比べて非常に軽く、重量は約1/3程度。
理由:バイクの総重量を減らせることで操作性を向上させることができます。
② 高いエネルギー密度
特長:リチウムバッテリーはエネルギー密度が高く、小型でありながら大容量の電力を蓄えることができます。
理由:同じ重量の鉛バッテリーであった場合、リチウムバッテリーのほうがより多くの電力を蓄えることが可能なため長時間の使用が可能です。
③長寿命
特長:通常の環境下では自然放電が少なく、長期間使用しない場合でも性能が維持されやすいです。
理由:繰り返し充放電に強いので鉛バッテリーに比べて寿命が長いです。ただし寒冷地や低温環境には弱く、十分にメリットを発揮されない場合もあります。冬場は定期的なチェックや充電(リチウムバッテリー専用充電器)が必要です。
コスト面は鉛バッテリーと比べると2~3倍の金額が相場ですね。現在リチウムバッテリーを搭載するモデルは特に重量を意識するスポーツバイクや高性能バイク。ただしリチウムバッテリーが主流となるにはまだまだクリアすべき課題が残っています。
充電する場合は、密閉型バッテリー、開放型バッテリー、リチウムバッテリーのうち自分の愛車のバッテリーがどのタイプなのか確認しそれに合う充電器が必要です。
くれぐれも開放型専用充電器で密閉型バッテリーを充電する事ないように!絶対ダメな組み合わせです!最悪爆発するかも!
以上が鉛バッテリー(密閉型/開放型)とリチウムバッテリーの特長です。
長~いこと書きましたがどうですか勉強になりました⁉
そして最初に戻って質問へのアンサー、
絶対的な耐年数は決めきれませんが(使用環境がオーナーによって異なるため)、2~3年経ったらまずは電圧チェック!
エンジンを止めた状態の電圧が12.5V以下となったら交換の目安です。
バッテリー上がり自体を防ぐことはできなくとも、バッテリーの状態を確認することはオーナー様の責務です!
点検時でもオイル交換時でもお気軽にご相談くださいね!
ユーメディア横浜新山下
住所:神奈川県横浜市中区新山下1-17-39-2F
電話:045-628-0070
※GS-Yuasa様HPより引用